ぎっくり腰とは
重い物を持った拍子に突然腰が痛くなり動けなくなってしまうぎっくり腰、正式には急性腰痛と言います。読んで字の如く急激に発症した腰痛を指し、欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれます。ぎっくり腰が起こる状況として重い物を持ち上げたときだけでなく、「立ち上がろうとしたとき」「急に姿勢を変えたとき」「床に落ちた物を拾おうとか屈んだとき」「くしゃみをしたとき」など、突拍子もないときに起こることがあります。ぎっくり腰は、多くは1週間~2週間程度で回復に向かいますが、時間が経過しても改善が見られない、または下半身に痛みやしびれと言った症状が出現することがあるため早期の治療が大切になります。
ぎっくり腰の原因
1つ目に挙げられるのが、筋肉の慢性疲労です。ぎっくり腰は突然起こりますが、その原因となるものはゆっくりと進行しており、少しずつ溜め込んだ筋肉疲労が許容量を超えると、腰痛として発症してしまうのです。具体的には睡眠や運動不足、栄養バランスの低下が続くと筋肉疲労が徐々に蓄積されていき、やがて腰痛を招いてしまうことになってしまいます。2つ目の原因として骨格の歪みがあります。立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間限られた姿勢でいることで筋肉の柔軟性が失われ姿勢が偏ってしまうことがあります。こうしたことが筋肉のアンバランスを生み出し背骨や骨盤が本来の位置からずれてしまうことで、その周辺の筋肉への負担が高まりやすくなり腰痛を引き起こすのです。3つ目の原因は、いきなり腰に対して急激な負荷が加わってしまうことです。これは若い人やスポーツ選手に多いです。例えば高いところから飛び降りた着地の瞬間や、勢いよく振り返った瞬間など、急激な動きの切り替えのときに、腰に突然負荷がかかり、ぎっくり腰を起こしてしまいます。代表的なものを紹介しましたが、他にも年齢や体質、生活習慣など様々な要因が考えられます。
ぎっくり腰になってしまったら
ぎっくりの発症直後は、動くことも立ち上がることもできないのが普通です。その場合には腰に負担がかからない姿勢をとるようにします。また、腰の筋肉、関節、靭帯といった場所に炎症が起こっているため、安静にし、専門機関に受診ます。従来はぎっくり腰を起こした後は安静に過ごすことが大切だと言われていましたが、最近では、長期間体を動かさないでいると全身の筋肉が衰えてしまうため、回復が遅れてしまうということがわかってきました。したがって、発症から2~3日後に痛みが落ち着いてきたら、動かせる部位は積極的に動かすことが大切です。ぎっくり腰は再発する可能性が高いため、再発防止と予防も視野に入れながら治療からリハビリテーションで一貫して行うことを推奨します。