猫背とは
日本人のおよそ70%が猫背または猫背予備軍といわれています。日本人の体型は、欧米人と比べると全体的に平たく、筋肉量も少なめと言われています。日本人の線の細い骨格は、頭の重さを支えるのにかなりの負担がかかります。また、正座やお辞儀の文化なども日本人に猫背が多いことに少なからず影響を与えているといわれています。さらに見逃せないのが、猫背は見た目だけでなく、身体のトラブルにつながるということです。猫背とは、猫のように背骨が丸まっている姿勢のことを指します。人の背骨は、もともと自然なS字カーブを描いていて、上から頸椎、胸椎、腰椎、仙椎に分かれています。そのうち、胸椎の背骨側が極端に丸まっているのが猫背の状態となります。鏡に映っている自分の姿を見た時、肩よりもあごが突き出ていたり、背中が丸まっていたら、猫背の状態といえます。猫背の状態が進行してしまうと、S字カーブがなくなり、背骨全体が丸まる状態で固定化されてしまいます。こうなると肩も内に巻くような形となってしまい、ひと目でバランスがくずれた姿勢であることがわかります。肩こりや腰痛といった不調の原因にもなります。
O脚とは
O脚とは別名「内反膝(ないはんひざ)」と呼ばれ、脚が外側にカーブしてしまい、膝から下が内側に曲がった姿勢になります。両脚を合わせたときに太ももから膝、脛(すね)で作られる形がアルファベットの「O」になることから「O脚」と呼ばれています。左右のくるぶしをくっつけるように立ったときに、膝の内側に目立った隙間ができてしまうのも特徴です。乳幼児から2歳までの子どもはO脚になることを「生理的O脚」と呼びます。2歳以降はO脚の反対で膝から下が外側に曲がって、両足を揃えた時に「X」になる「X脚」という状態になります。そして、成長するにつれてX脚の程度が弱まり、成人になるとわずかに膝から下が外側に曲がった状態で止まります。しかし、生まれながら骨に異常があったり、成長の過程で骨に関する病気になったりすると異常なO脚になる場合があります。また、怪我や関節を支える靱帯の異常によりO脚がみられることもあります。成人以降では加齢や肥満、筋力の低下などにより関節の変形が進む「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」や関節の炎症が続く「関節リウマチ」などの病気がO脚の原因になります。また、姿勢が影響してO脚になることもあります。具体的には、背中が丸くなるような、いわゆる「猫背」になると、体の各関節が連動して変化して結果的にO脚につながります。猫背が強まり骨盤は後ろに倒れてしまうと重心が後ろに偏ってしまいます。そのままでは後ろにバランスを崩してしまうので、重心を前に保つために膝が曲がってガニ股のような姿勢になってしまったり、太ももやお尻の筋肉が衰えたり、うまく使えないとO脚になりやすくなります。